- Yamaguchi, Shintaro, Asai, Yukiko, and Kambayashi, Ryo: How Does Early Childcare Enrollment Affect Children, Parents, and Their Interactions?, SSRN WP, 2017.
- 山口慎太郎「保育園は子供の発達にどんな影響?厚労省データによる検証」Blog,2017年5月.
- 山口慎太郎「保育園が子どもの「攻撃性」を減少させるという驚きの研究結果」 「保育園通いで、子どもだけでなく「母親も育つ」のは科学的理由がある」 現代ビジネス,2017年12月.
- See also: Asai, Kambayashi, and Yamaguchi (2015, JJIE)
保育所の利用が2-3歳のこどもの言語発達と行動面に与える影響を評価しました。データは厚生労働省・21世紀出生児縦断調査です。以下のツイートでは主要結果を日本語で紹介します。(1/6)https://t.co/P7ZsWoGVQ4— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月14日
保育所に通うことで、母親が低学歴である子供の攻撃性、多動性が減少しています。これは母親が子供を叩いてしつけなくなるなど、家庭環境の改善に理由の一端がありそうです。一部の母親には正しい子育て知識の提供が重要かもしれません。(2/6)— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月14日
子供の行動面に注目したのは、幼少期の問題行動が大人になってからの就業、健康、犯罪行為に強く相関することが北米の研究で知られているためです。保育所が一部の子供の問題行動を減らしたという結果は、保育所の社会的役割が母親就業の促進にとどまらない可能性を示唆しています。(3/6)— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月14日
男児、特に低出生体重児の言語発達が女児に比べて遅い傾向が見られますが、保育所に通うことで男児の言語発達が早まり、女児に追いつけています。母親の学歴による言語発達の違いは見つけられませんでした。(4/6)— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月14日
母親の学歴が高卒以上であれば、保育所の利用が子供の言語発達、攻撃性、多動性に与える影響は認められませんでした。まだまだ研究が必要ではありますが「保育所の利用は子供の発達に有害」という可能性は低そうです。同様の結果は多くの国で報告されています。(5/6)— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月14日
我々の研究は現代の経済学で要求される分析の質を満たすべく最善の努力を払いましたが、もちろん完全なものではありません。今後、様々な研究者が様々な方法で同様の問題を検証することで結果の信頼性が確認される必要があります。これはそうした取組への第一歩です。(6/6)— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月14日
論文では(LATEではなく)MTEを推定しており,ケアを受ける確率 unobserved propensity によってケアの効果が異なること(処置効果の異質性)が考慮されているとの由.MTEについては Cornelissen et al. (2016 LE) がおすすめとか.
こちらの論文ですが、まだまだ応用例の少ないMarginal Treatment Effectを推定し、処置効果とSelection Probabilityの逆相関を見つけるなど実証ミクロの専門家にとっても面白いところが多々あります。https://t.co/P7ZsWoGVQ4— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月15日
Marginal Treatment Effectについての応用家向け解説はこちらの論文がおすすめ。応用例はまだまだ少ないですが、この手法では処置効果とunobs propensity for treatmentの関係が見られます。https://t.co/PKoKUyCUbf— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月15日
MTEの実用例は公共政策や労働経済からのものがほとんどですが、これは珍しく国際貿易の文脈で使われています。UBCの笠原さんらのJIE論文。https://t.co/MkCmANFCVi— 山口慎太郎 (@sy_mc) 2017年3月15日
(追記)分析に用いられたデータ「21世紀出生児縦断調査」を用いた他の研究として,親が子供を叩くことの影響を明らかにした Okuzono et al. (2017) (日経「お尻たたくのは逆効果 問題行動のリスク増える」2017年7月)などがあるとのこと.
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